サッカーを通してグローバル人材を育成する!

指導者の道を選ばれたきっかけは?
小学4年生からサッカーを始め、最初は選手になりたいと漠然と思っていました。子どもの時からラジオで海外の放送を聞くのが好きだったので、元々ヨーロッパに憧れがありました。そんな時、中学生の頃サッカー雑誌でドイツではサッカーの指導者にプロのライセンスがあることを知り、憧れていたヨーロッパへの興味とサッカーが繋がり、指導者ライセンスを取得し監督になることが目標になりました。
大阪体育大学サッカー部に在籍していた時、のちに千葉や名古屋、大宮といったJリーグクラブやスロベニア代表チームを率いたベルデニック氏が指導に訪れ、その縁で卒業後はスロベニアに留学し、スロベニアサッカー協会プロコーチライセンスを取得しました。その後、ヨーロッパのプロクラブで指揮を執るために必要なUEFA(欧州サッカー連盟)プロライセンスを取得。2016年から2017年にはオーストリアのサッカークラブ、SVホルンの監督を務め、ヨーロッパ・プロリーグ初の日本人監督となり、幼い頃の夢を実現しました。

どうして大学サッカー部に?
「自分にしか出来ないことは何か」と考えた時に、「自分しか経験していないことを、若い世代に伝えていくこと」だと思ったからです。大学サッカーの大きな目的は人材育成です。もちろん勝ち負けの結果は大事ですが、勝敗だけに囚われると見失うものが多いのも事実です。
2018年に監督に就任した際に、どんなサッカー部にしたいのか、どんなサッカーをしたいのか、選手と一緒になって考えて、対等な立場でとことん話し合いました。戦術などについても選手と常に話し合い、広報部やテクニカル部などの部署制度を設けチーム運営を学生が主体となって行っていけるように組織を作りました。選手1人1人が主体的に取り組むことで、選択に責任を持ち、実行につながる動きが生まれると考えています。

目指すは?
昨年は全日本大学サッカー新人戦で3位に入賞し、九産大で選手と一緒にやってきたことは間違っていなかったと感じました。同時に、この結果によって自分たちで目標のハードルを上げたんですから、更なる高みを目指していくしかないと思っています。
もちろん勝敗だけではなく、九産大のカルチャーを、選手1人1人が築き上げていくことも忘れません。九産大はグローバルな総合大学を目指しています。グローバルとは、英語を話せることだけではないですよね。自分の文化、アイデンティティーをしっかりと持って、自らの考えを表現しながら、他者を尊重し、多様性を受け入れていく、その姿勢こそが求められると思います。サッカーを通して、グローバル人材を育成する現実的な学びの場を提供していくことが監督としての私の役割だと思っています。大学生ってポーンと話を投げると弾けてくれるんですよね。だからこそ刺激を与え続けていく。学生の進路はプロ、指導者、企業への就職とさまざまですが、良い人材が育つように働きかけていく存在でありたいと思っています。