経済・国境・文化のボーダレス化、科学技術の急激な進展などを背景に、芸術の世界も旧来の境界線を越えマルチプルに融合することで、表現の可能性を大きく広げています。本学の芸術研究科は、そうした社会のニーズや芸術の新たな動向を見据え、「芸術表現」「デザイン」「写真・映像」の3領域について専門的かつ学際的に探究。未来のクリエイティブリーダーを育む理想的な芸術研究の場がここにあります。 「染織技法を生かした新しい表現」をテーマに、スキルやセンスといった言語化できない“感覚的なもの”を積み上げながら現在も作品制作を行っていますが、進学する3~4年前から染織を教える機会が多くなり、制作とは違ったやりがいを感じる反面、もっとこうすれば...と悩みも抱えていました。その原因が「自身の“感覚的なもの”から、その人・場に必要なものを選び出し、伝わるように作り替えて、提供する」という、デザイン的視野・思考を持てていないことだと気付きました。学部卒業から10年以上経っての進学は、その気付きと、新たな学びへの第一歩でした。 染織技法を用いたワークショップデザインについて研究しています。ただ楽しかったで終わる「体験の提供」ではなく、創造的で多様な学びが生まれる「場の展開」のためデザイン、それに染織技法がどう機能するのかを実践・検証しています。思いがけない化学反応や発見があり、まだまだ底知れない研究領域なので、修了後も継続していきたいと思っています。 ありがたいことに沢山の恩師と巡り合うことができた私は、沢山の「学ぶって楽しい!」をいただくことができました。まだまだ及びませんが、わたしも染織を通じて「学ぶって楽しい!」と感じてもらえるよう、進み続けたいと思います。新たな出会いを通じて、学びの楽しさを実感!!芸術研究科 造形表現専攻 (デザイン領域)博士前期課程 中園 唯 さん九州産業大学 芸術学部 研究生出身1. 九州産業大学大学院進学のきっかけ2. 研究内容3. 将来の目標※2021年3月31日現在学位授与者数修士(芸術)710博士(芸術)42
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