PlusK_vol.55
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#6“海洋プラごみ100%”の「せっけんケース」をデザイン街中で見かけるあれもこれも、実は九産大が手掛けたもの。このコーナーでは、ちまたにあふれる九産発の製品をご紹介します。九産大×SDGs 芸術学部ソーシャルデザイン学科の伊藤敬たかお生教授研究室が昨年から取り組む「SEA you again プロジェクト」の一環として、海洋プラごみで作った石けんケースと、生活排水が自然に還る無添加せっけんをセットにした「mムーu」が誕生しました。 伊藤教授は、潮流の影響によって漂着物が集まりやすいという課題を抱える長崎県五島列島の小おぢか値賀島を救おうと、海洋プラスチックごみを商品としてアップサイクルすることを提案。伊藤教授がせっけんケースをデザインし、NPO法人おぢかアイランドツーリズム協会と小値賀町、株式会社テクノラボ(神奈川県横浜市)、シャボン玉石けん株式会社(福岡県北九州市)と共同で開発しました。 幅8cm×高さ12cm×奥行き5.5cmのせっけんケースは、小値賀島の海岸で採取した石で型を取りデザインした手になじむサイズで、手を洗う機会が増えたコロナ禍において、利用者の暮らしに寄り添う製品となっています。芸術学部ソーシャルデザイン学科伊藤 敬生教授 今一度考えてもらいたいのは、プラスチックが悪いのではなく、それを捨てる人間に問題があるということ。“ごみ”という言葉や海洋プラスチックごみを「無=0(ゼロ)」にしたいという思いとともに、ケースに入っているシャボン玉せっけんの「無添加=0」の意味も込め、「mu」と名付けました。プラスチック製品との正しい関わり方や海洋ごみ問題について考える一助になってもらえればうれしいです。 プロジェクト初年度の昨年は、小値賀島の新たなお土産品を作ろうと、島の豊かな海産物や農産物などをモチーフにした「おぢかブローチ」を企画提案し、島の方々を対象に、色鮮やかなブローチを製作するワークショップを実施しました。 “捨てられない宝物になるプラスチック”を目指すとともに、海洋ごみをなくすという島全体のアイデンティティーを示すシンボルとして、息づいていってほしいと願っています。STUDENT'S VOICEPROFESSOR'S VOICE芸術学部ソーシャルデザイン学科4年安田 美菜(中村学園女子高校)112022 AUTUMN

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