★PlusK_vol.54
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 割り出した細菌や酵母など食品関連微生物の成分データを食品各社で相互利用することで、健康被害や食品の品質低下の原因となる問題菌とその混入経路を迅速に特定し、食品事故の早期解決や賞味期限の延長に役立てるもので、14の企業・団体からなる「MALDI︲MS微生物同定コンソーシアム」を設立し、組織内で菌データの共有を図っています。  これらの企業や団体から食品に含まれる菌の成分データを集め、コンソーシアム内で共有しデータベースに蓄積することで、菌の特定を容易にします。このデータベースを活用することで、消費者からの問い合わせに対する素早い対応に加えて、工場の製造過程における菌混入の特定と殺菌対策、菌の増殖を抑えた傷みにくい食品の開発などが可能となります。これまでに約600株の菌のデータを集めており、2025年度をめどに2000株のデータを蓄積する予定です。 今後は、データベースの拡充による菌の特定精度の向上と、各社がデータベースを効率的に共有できるシステムを開発し、食品業界を横断する微生物データベースの構築を目指します。また、コンソーシアム活動と並行して、現在確立されていない食品関連カビを特定する研究を行い2025年のデータベース化を目指すとともに、福岡県工業技術センター生物食品研究所と協力し、地域の食品産業の微生物制御の支援を行います。  今後も、食の安全・安心や食品ロスの低減に貢献する研究を深化させるとともに、食品汚染微生物に関するデータを集結した一大支援拠点として「食品微生物制御センター」を発展させていきます。左:松下助教、中央:中山教授、右:藤江研究員食品微生物制御センター・キユーピー株式会社・マルハニチロ株式会社・株式会社明治・カゴメ株式会社・株式会社やまやコミュニケーションズ・日本コカ・コーラ株式会社・コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社コンソーシアム参加企業・株式会社ニチレイ・株式会社日清製粉グループ本社・日本ハム株式会社・東京都健康安全研究センター・一般財団法人日本食品分析センター・日本生活協同組合連合会・九州産業大学技術革新と作る責任で食品ロスを削減!業界標準・国際標準標準化センター運営自立化食品関連微生物のコンソーシアムの形成研究支援機関企 業大学・技術支援機関食品産業・機器メーカー分析手法の共同開発データベースの公開技術支援研究開発助成金共同研究費データベース使用料共同研究費特許実施料資金資金122022 SUMMER

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