★PlusK_vol.54
12/24

 消費者の食の安全・安心への関心が高まっている現代。消費・賞味期限の延長や、食品衛生に関する消費者からの問い合わせの迅速な対応は、食品業界における喫緊の課題です。 学内公募型研究費である「実用化支援研究費」の採択を受け昨年開設した「食品微生物制御センター」において、生命科学部中山素一教授と藤江尚香研究員、総合機器センター松下香助教は、迅速・簡便で低コストの質量分析技術「※MALDI︲TOF MS」を用いて割り出した微生物の成分をデータベース化して食品業界に広く展開するための研究に取り組んでいます。食品大手と連携し食の安全・安心を追究 「マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計」の略で、マトリックスと呼ばれる混合物を加えた試料に窒素レーザーを照射し、気化・イオン化した成分の質量の違いによる電極までの飛行時間の差によって成分を同定する分析法とその分析装置のこと。遺伝子解析と比べて迅速な成分特定が可能であり、専門的な技術を必要としないという利点があります。本学では2011年に「総合機器センター」に導入し、生物化学分野の研究に利用しています。※ MALDI-TOF MSMatrix-Assisted Laser Desorption/Ionization-Time of Flight Mass Spectrometry文系・理工系・芸術系の多彩な教授陣が日々積み重ねる研究活動。人を惹きつけ深淵に誘う、研究の魅力に迫ります。TheFiles of Academics細菌を分析する最新の「MALDI-TOF MS」~研究者の世界~112022 SUMMER

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る