PlusK_vol.53
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#4ICT活用で〝地域の足〟コミュニティバスを支援!街中で見かけるあれもこれも、実は九産大が手掛けたもの。このコーナーでは、ちまたにあふれる九産発の製品をご紹介します。ICT×地域公共交通 交通空白地域の解消に向けて各自治体が独自で運営する“地域の足”コミュニティバス。  理工学部情報科学科の稲永健太郎教授研究室を中心とした地域公共交通運行支援グループは、ICTを活用して、2017年から須恵町のコミュニティバスの運行をサポートしています。理工学部情報科学科 2022年3月卒業山神 岳たけ と登さん(武蔵台高校)理工学部情報科学科 2022年3月卒業野田 一希さん(須恵高校)先輩の取り組みを引き継ぎ、改良を重ねて開発しました。須恵町の担当者から、外国籍の住民の方にも分かりやすい表示にしてほしいとのリクエストをもらい、天気をイラストで表示し、遅延が増える雨の日は情報表示時間を長くするなど、工夫を重ねました。バス発着拠点となる福祉センターの待合スペースにいる利用者の方に分かりやすいように、システムを細かに修正して完成させました。いざ設置してみると、色や字の大きさなど高齢者の方には見えにくい部分があることに気付き、さらなる改良の必要性を感じています。 2017年利用状況調査開始  2018年乗換案内サービス「Yahoo!路線情報」「Googleマップ」などで検索可能に。 2021年車内にCO2濃度計測センサー設置。須恵町公式LINEアカウントから、 バスの位置情報をリアルタイムで確認できることが可能に。 2022年車内のデジタルサイネージにて天気予報や遅延情報を発信したほか、バス待合スペースにデジタルサイネージを設置し、時刻表や路線情報を発信。須恵町での取り組み2021年には須恵町の公式LINEアカウントからもバスの位置情報をリアルタイムで知ることができるように! 2013年にスタートした運行管理支援の取り組みは、須恵町のほかにも、福岡県内や宮崎県、沖縄県にも広がり、これまでに18の自治体で実施しています( 2022年3月末時点 )。先輩たちの開発を代々受け継ぎ改良を重ねた学生の研究が、コミュニティバスという地域住民の生活の維持に欠かせないライフラインの運行を支えています。バス車内デジタルサイネージ待合スペースデジタルサイネージ櫻井さん病院や買い物などでバスを利用しています。バスがどれくらい遅れているかが分かるようになって、バスの乗り換えや次の予定なども計画しやすくなりました。バスに乗るために歩くことで運動になるし、会話もできるので、あえて車には乗っていません。だんだんと便利になってバスが使いやすくなりました。次はぜひ表示を大きくし、音声で知らせる機能を開発してほしいです。末次さん町のおじいちゃん、おばあちゃんに聞いてみた132022 SPRING

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