PlusK_vol.50
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 買い物など生活の維持に欠かせない、〝地域の足〟コミュニティバス。運営するコミュニティバスの赤字幅縮小と利用者数増加を目指す自治体と連携し、2013年から理工学部の稲永健太郎研究室を主体とする地域公共交通運行管理支援グループが奮闘している。 バスの利用目的や乗降者数などを把握するためのアプリを開発。集めたデータをもとに利用者のニーズを分析し、ダイヤ改正や運行経路を見直す自治体をサポートした。さらに、「Yahoo!路線情報」などの経路検索や、走行するバスの位置情報をスマートフォンなどで確認できるサービスも始めた。新型コロナウイルス感染症が拡大すると、車内の二酸化炭素の量を計測し、混雑状況を知らせる機能の開発を進めている。 技術開発を支えているのは、地域の役に立ちたいという強い思いだ。年々厳しさを増す地域公共交通を取り巻く環境をICT情報通信技術で改善したいと、バスの運行が終わる夜間に、研究室の限られたマンパワーで作業を行ってきた。こうした取り組みが評価され、2020年には国土交通省九州運輸局「交通政策関係表彰」を受賞している。 2017年から連携する須恵町の平松秀一町長は、「地域に貢献したいという強い気持ちで活動する稲永教授と学生の皆さんの情熱が、町民が利用しやすいバスづくりの燃料になっている」と話した。―ICTを活用した地域公共交通の運行管理支援プロジェクト―〝地域の足〞を支えて運行管理支援実績 18自治体に拡大(2021年6月時点)金武町ううるるまま市市読谷村嘉手納町嘉手納町沖縄市北谷町北谷町北中城村北中城村宜野湾市宜野湾市中城村中城村浦添市浦添市那覇市西原町西原町与那原町与那原町南風原町南風原町豊見城市豊見城市南城市八重瀬町八重瀬町糸満市糸満市水巻町水巻町芦屋町芦屋町遠賀町遠賀町岡垣町宗像市中間市中間市鞍手町鞍手町直方市苅田町行橋市みやこ町香春町福智町糸田町糸田町小竹町小竹町宮若市福津市古賀市新宮町新宮町久山町飯塚市桂川町桂川町田川市大任町大任町川崎町赤村添田町築上町豊前市吉富町吉富町上毛町東峰村東峰村朝倉市うきは市久留米市大刀洗町大刀洗町小郡市筑前町篠栗町須恵町 須恵町 宇美町 宇美町 太宰府市 太宰府市 筑紫野市 筑紫野市 東区 粕屋町 粕屋町 志免町 志免町 中央区 中央区 博多区 博多区 城南区城南区南区 春日市 春日市 大野城市 大野城市 那珂川市早良区西区糸島市福岡市福岡市北九州市北九州市八女市広川町筑後市筑後市大木町大木町大川市大川市柳川市みやま市大牟田市大牟田市嘉麻市福岡県沖縄県うるま市三股町日向市串間市宮崎県串間市芸術学部生活環境デザイン学科4年藤本猛たけるさん(長崎鶴洋高校)平松 秀一 須恵町長 今年で10年目を迎える家具づくりのプロジェクト。学生の自由な発想は、初年度に「女子家具」という市場を開拓した。2015年に製作した子どもをターゲットにした恐竜の学習机は商品化され、現在も複数の保育園で使われている。 このプロジェクトを経験し、卒業後に大川の家具メーカーに就職した学生は9人。2018年度の活動では、そのうち2人がメーカー側の職人として学生の指導に当たった。信頼関係を積み重ね、ものづくりを通して地域に受け入れられる人材が育ち、その人材が大学と関わり、次代の人を育成している。 「先輩やメーカーの人たちのアドバイスやサポートのおかげで、諦めずに取り組めた。デザインが形になる喜びを感じられた」と話す藤本さんは、家具メーカーへの就職を目指している。―大川プロジェクト―「ものづくり」から「ひとづくり」へ05

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