PlusK_vol.48
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 「”史人“という名前だから、子供の頃から、将来歴史に名を残す人になるのだと思っていました。素直ですよね」と、関戸史人は笑う。彼が名を残す場所として選んだのは、歴史の教科書ではなく、映画のエンドロールだ。 関戸の映画制作の歩みは、大学1年生の冬に始まった。アルバイト帰りに立ち寄った喫茶店で偶然つかんだチャンスを生かし、プロの映画撮影に参加。助監督や地元アイドルのプロモーションビデオなども手掛け、一時は「自主制作を含め7本同時進行で制作していた」という多忙ぶりだ。 だが、「監督向いてないよ」「センスないね」という言葉を何度もぶつけられた。自信を裏付けるのは誰より踏んだ現場の数それでもくじけなかったのは、なぜか。――「ここで恥をかく方が、一生ダメなままよりいいだろ」。関戸が映画制作の道を選ぶきっかけになった、『ウォーターボーイズ』のセリフだ。「僕よりもすごい映像を撮れる人、編集が上手な人は、九産大にもたくさんいます。でも、現場を踏んだ数と失敗の数なら、僕が一番」。 恥をかくこと、失敗を恐れない。立ち止まらない。それが、彼の強みだ。「大学を卒業して、フリーランスとしてすぐにやっていける、なんて甘いことは考えていません。でも、いつかはプロとして映画に関わっていきたい」。 映画制作の過酷な現実を前にしてなお、夢は広がる「匠」への道――。082021 WINTER

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