PlusK_vol.48
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 そのノートパソコンには、スポーツカーのステッカーが貼られている。それは、尾石龍一がものづくりを志した原点だ。「僕の年代だと、車好きって珍しいですよね。僕は昔から機械が好きで、®レゴブロックや電子工作も好きでした。それが今につながっています」。 尾石の人生を大きく変えたのは、高校の情報技術部で出会った「ワールド・ロボット・オリンピアド(WPO)」。®レゴ・マインドストームを使って組み立てたロボットを、自律的に動作するようにプログラミングし、ミッションにチャレンジする世界大会だ。それ以来、ロボット工作の可能性に魅了され、大学進学後も運営スタッフとしてWPOに関わり続けている。車からロボットへ憧れが導くものづくりの道 現在、尾石がリーダーとして取り組んでいるのが、理工学部と芸術学部が連携し、ロボット開発とプロダクトデザインを組み合わせたものづくり活動「テクノアートプロジェクト」だ。今年は”ロボティック・トイ“をテーマに、理工学部生が開発した組込みシステムを内蔵した、芸術学部生デザインのロボットを製作。「デザイン側と意見をすり合わせながらものづくりを進める作業は大変ですが、やりがいを感じます」。この成果は、1月25日(月)~2月1日(月)まで福岡市科学館で展示される予定だ。 ものづくりを極め、将来はエンジニアの道に進みたい。そう言って、意志の強そうな口元がほころんだ。Profile尾お石いし 龍一さん理工学部電気工学科 2年(福岡舞鶴高校) 高校時代に出場した、「World Robot Olympiad」九州地区大会で優勝。サークルは電気工学研究部に所属し、ブランチ福岡下原で子ども向け「電子工作教室」などを開催している。「子どもたちには、多くの失敗の中から新しいことを発見するという、ものづくりの面白さを伝えたい」062021 WINTER

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