PlusK_vol.47
6/20

 2004年に埼玉県川口市で誕生した「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」。この映画祭は、今や映画の新たなスタンダードとなったデジタルシネマにいち早くフォーカスした国際コンペティションで、17回目となる今回は初めてオンラインで開催されました。 国内コンペティション短編部門286作品の中から入選した『aアクサンダックスxandax』は、上映時間44分の短編映画で、“個人価値”という概念に縛られ、自分自身と他者とを比較しすぎるあまり自己肯定できなくなる主人公を描いた作品です。使用する照明を変えながら作り出した陰影が印象的な映像は、主人公の心情の揺らぎを表現しています。 ぜひ、ご覧ください。人として在るべき姿とは?抱え続けていた命題を作品に込め、表現しました二羽 恵太 芸術学部助手 体面や数字ばかりを気にして取り繕ったものが、中身が伴っていないにも関わらず評価される、という場面をよく見かけます。それが社会の在り方のように感じ、本当に人の在るべき姿なのか、という悶々とした思いを抱えていました。 少し変わった世界観やキャストが生み出す人物造形、細部にまでこだわった映像や音。これらが紡ぎ出す作品の空気感から、それぞれ何かを感じていただけるとうれしいですこちらから視聴できます『aアクサンダックスxandax』 監督:二羽 恵太/上映時間:44分/制作:2019年 学歴や資格、成果といったさまざまな要素から個人の価値が数値化され、他人との優劣が可視化された時代。人里離れた山奥で生活するジンのもとに、出張カウンセラー・ナオミがやって来る。初めは打ち明けようとしないジンだったが、少しずつ彼女に心を開いていき、現在の排他的な生活に至るまでを徐々に語り始めていく・・・。監督インタビュー2020 AUTUMN05

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る