PlusK_vol.33
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日本の未来のものづくりへの寄与を目指して、「伝統みらい研究センター」を設立しました。九州の伝統工芸の技を伝え、商品として発展させるため、さまざまな課題の解決策を提示する地域産業のシンクタンクとしてスタートします。13+K 2017 Spring 九州は、伝統工芸の宝庫。しかし、産業としての伝統工芸は減少し続けているのが現状です。このまま産業が消滅すると、技術の伝承が断絶し、日本の生活様式が消滅の危機を迎えます。①伝統工芸の知恵や技術を伝承し、持続可能なビジネスとして再生・発展させる。②右の課題を、芸術やデザイン、経営、マーケティングなど、多分野から分析し、再生・復活の手法を確立する。 初日に行った記者会見で山本盤男学長は、「伝統技術を後世に伝え、持続可能な産業として再生する手法を確立し、地域を支援したい」と話しました。また、釜堀文孝センター所長は、「衰退しつつある伝統工芸を核とした地域産業に貢献するシンクタンクを目指したい」と語りました。 3月11日(土)から15日(水)まで、美術館で「伝統みらい研究センター」のキックオフ展を開催しました。この展示会では、十四代・十五代酒井田柿右衛門の作品や、博多人形、博多織などのプロジェクトの成果を展示しました。 柿右衛門様式磁器を中心とした、世界的な美学・文化史的な研究を目的に、平成16年、文部科学省21世紀COE(Center of Excellence :世界的な研究拠点)に採択。対象領域●福岡県(博多織/久留米絣/小石原焼/博多人形など)●佐賀県(伊万里焼・有田焼/唐津焼) ●長崎県(三川内焼/波佐見焼)●熊本県(小代焼/天草陶磁器/肥後象がん) ●大分県(別府竹細工)●宮崎県(都城大弓)ほか ●鹿児島県(薩摩焼/川辺仏壇)ほか 初日には、十五代酒井田柿右衛門客員教授が、柿右衛門作品について解説する「ギャラリートーク」が行われました。 酒井田客員教授は、十三代と十四代の作風の違いや柿右衛門窯の当主にしか許されていない「濁手」という技法について、制作時の色や構図に対する思いなど、作品の見どころを一つひとつ丁寧に語りました。熱心に耳を傾けていた来場者は、トーク終了後、改めて作品に見入っていました。ためるつなぐいかす短期目標 九州の伝統工芸の調査と問題点の抽出長期目標 地域産業のシンクタンク機能工芸品産業のデータ収集地域支援を行う公的機関などとの連携地域活性化のための研究 ためるつなぐいかす短期目標 柿右衛門の作品と成長過程の記録長期目標 柿右衛門のアーカイブ化柿右衛門の成長過程と作品の変化に関する研究世界の研究機関や研究者とのネットワークの活用デジタルミュージアム化記者会見を行う山本盤男学長(右)と釜堀文孝センター所長(左)にごしで

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