合理的配慮ガイドブック
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 令和3年5月、障害の有無に関わらず誰もが安心して暮らせる共生社会の実現に向けて、全ての事業者に対して障害者の機会の均等を保障する「改正障害者差別解消法」が成立し、「合理的配慮」の実施が義務付けられました。令和6年4月1日からの施行に伴い、私立大学等においても、この「合理的配慮」の提供の義務化が適用となります。 「合理的配慮」とは、障がい者の同等な修学・就労機会を保障するため、過重な負担を伴わない範囲で、個々に合わせた必要かつ適当な変更や調整を提供することです。  「合理的配慮」の提供にあたっては、視覚障がい、聴覚障がい、肢体不自由、発達障がい、精神障がい等の障がいのある方と事業者が、双方のやり取りを通じて「建設的対話」を行い相互理解を深め、共に対応案を検討していくことが重要となります。■ 全国の障がい学生数の推移 独立行政法人日本学生支援機構の調査結果において、日本の大学で学ぶ障がいのある学生数は年々増加しており、令和3年度は40,744人(全学生数の1.26%)で、前年度から5,403人増、障がい学生在籍学校数は942校(全学校数の80.1%)となっています。合理的配慮の具体例例❶申し出聴覚障がいのため、講義時の音声が聞き取りにくいです。合理的配慮の提供例❷注意欠如多動症のため、授業に集中できないことがあります。注意集中が難しい場合の保障として、授業の録音や板書の写真撮影を許可します。また、課題の内容や締切日等の重要事項については、配付資料に明記します。症状が出た場合、講義に遅刻や欠席をしてしまう可能性があることを考慮します。後日、本人から申し出があった場合には、授業内容を伝える、配付資料を渡す等の対応を行います。例❸申し出合理的配慮の提供申し出合理的配慮の提供ノートテイク等の情報保障者を配置するほか、聴覚支援機器の利用を許可します。不安障がいのため、授業への出席や課題提出が難しい場合があります。建設的対話とは?● 配慮の申し出に対して、正当な理由なく一方的に拒否しない。● 実施者に過重な負担がある場合、配慮希望者にその旨を説明し、  対応可能な範囲での代替案を提案する。● 実施ができない場合は、配慮希望者に理由を説明し、理解を得る。合理的配慮とは?

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