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科学技術の発展を担う「機能性材料」とその応用について

生命科学部 生命科学科
学びのキーワード
  • ものづくり
  • 化学
  • 有機化学
  • 高分子化学
  • 機能性材料
  • 複合材料
  • 材料開発

講義ポイント①

文明社会の発展を支える材料

人は知性を用いて文明を栄させてきた歴史の中で、古来から様々な材料を用いて生活をしてきています。
例えば、石器時代から弥生時代における、狩りや調理に用いられてきた石器や土器、これらの材料は「石」や「土」です。また、当時の集落での争いや政治に「青銅」や、「鉄器」を用いていました。平安以降の貴族や武士の時代には、「和紙」に文字を書き、また、黒色火薬が伝わり火縄銃が活躍することでそれまでの戦の在り方を一変させました。産業革命以降はプラスチックが合成されるようになり、ナイロンやポリイミドといった優れた高分子(ポリマー)材料が開発されました。現代においても日々新たな製品が生み出されていますが、それらには当然優れた材料が用いられています。
このように我々の文明社会は材料の進化と共に発展してきたといっても過言ではありません。

講義ポイント②

先端技術で用いられる材料に求められる「機能」とは?

近年における先端技術というと、「高速データ演算・通信」、「クリーンエネルギー」、「自動車・航空・宇宙」分野の産業技術に注目が集まっています。情報の演算や記憶に用いられる電子・半導体材料に加え、その高速通信を担う光ファイバーをはじめとする光路材料。クリーンエネルギー分野では太陽電池があります。また、自動車・航空・宇宙分野でも、燃費向上ために機体を軽量・強靭化したり、快適性の向上に様々な機能を持たせるため、数多くの材料が使われています。
これらの産業分野に用いられている材料に総じて求められている機能としては、耐熱性等の「熱特性」、透明性等の「光特性」、強靭性等の「機械特性」に集約されています。

講義ポイント③

高分子材料の「機能」を司る分子設計

「熱特性」、「光特性」、「機械特性」は一見全く関係性がないように見えますが、実は材料の分子構造を介して密接に関係しています。
高分子材料の機能性をその分子構造で考えると、ベンゼン環を多く含んでいるかどうか、剛直な構造か折れ曲がりの部分が多いかどうか、また、分子鎖同士の引き付けあいが強いかどうかで、ほとんどの特性を推測することが出来ます。
高分子とは、そもそもモノマーと呼ばれる分子量の少ない小さい分子がいくつも繋がって出来た巨大分子のことです。そのため、どのような形のモノマーを、どのような結合で、どのような割合でつなぎ合わせ、どのような形状に加工するのかによって「機能」を発現させることができ、そのバリエーションはほぼ無限に存在するのです。
そう考えると高分子材料の開発って、子供のころに慣れ親しんでいた「ブロック遊び」に似ていると思いませんか?
少しでも「面白そう!」と興味を持ったなら、将来につなげるチャンスです。是非一緒に学んでいきましょう!

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生命科学部 生命科学科

平山 智之 先生
専門:有機化学、高分子化学、材料化学
  • 講義内容がめざすSDGs