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西洋建築のかたちの歴史

建築都市工学部 建築学科
学びのキーワード
  • 建築
  • デザイン
  • かたち
  • 植物
  • 地球
  • 自然
  • 幾何学
  • 形態
  • コミュニケーション

講義ポイント①

西洋建築のかたちの歴史について、①建築のかたちを通したコミュニケーション、②建築のかたちの変化、③建築のかたちの歴史から明らかになるもの、という3点を解説します。古代エジプトにおける完成形のピラミッド(真正ピラミッド)は良く知られた存在ですが、そこに至るまでには「マスタバ」「階段ピラミッド」「屈折ピラミッド」という3段階の発展段階があった事はあまり知られていません。にもかかわらず大学の西洋建築史の授業の受講生たちは、予備知識なしにそれらのかたちだけを見て正しい発展段階の順番に並べ替える事ができます。人は、建築のかたちから時代・地域・文化のちがいを超えてメッセージを受け取る事(一種の非言語のコミュニケーション)ができるようです。

講義ポイント②

人を暑さ寒さから守り、デザイン(かたち・色・素材)によってメッセージを発する、そういう点で建築は服装とよく似ています。服装に流行があり、それが刻一刻と変化するように、建築のかたちも100年200年という長い時間をかけて徐々に変化していきます。中世ドイツのキリスト教の教会堂の内部空間を例にとると、単純な幾何学的なかたちから始まり徐々に複雑化し、最終的に植物を模したかたちへと変化していく様子が分かります。単純な幾何学形態は人工的なかたちであり、一方の植物は対極にある複雑な自然の造形です。人は「幾何学形態」と「自然の造形」の両方のかたちを美しいと捉え、その両方が中世ドイツの建築のかたちの移り変わりとして現れていると考えられます。

講義ポイント③

中世ドイツに限らず、西洋建築全体を見ても建築のかたちの歴史は、大きくは単純性と複雑性の繰り返しと捉えることができます。しかし単に同じ事を繰り返しているという訳ではありません。建築をつくる主題は時代と共に変化します。古代・中世における神のための建築から、近世・近代における人のための建築へと主題が変化し、現代では地球のための建築がテーマになっている事が、建築のかたちの歴史から明らかになります。過去の建築のかたちの歴史を知る事は、未来の建築を構想する事にもつながるのです。

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建築都市工学部 建築学科

冨田 英夫 先生
専門:ドイツ近代建築
  • 講義内容がめざすSDGs