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人間の発達の不思議

人間科学部 子ども教育学科
学びのキーワード
  • 生理的早産
  • 二次的就巣性
  • 愛情
  • 愛着
  • 人見知り

講義ポイント①

未熟な状態で生まれる人間

人間は、ほかの哺乳動物と違って未熟な状態で生まれます。例えば、馬は胎内で大人に近い状態まで育ってから誕生するので、生まれてから短時間で立ち上がり、移動が可能です。それに対して人間は、生まれてから移動が可能になるまで時間がかかります。その間、世話が必要ですが、赤ちゃんは生まれてすぐに保護者を認識するわけではありません。近くにいて自分の世話をしてくれる人を、次第に保護者と認識するようになります。特に生まれてから約半年間が重要で、その間に保護者の愛情を受けて相手に身を寄せる経験がないと、その後の成長に影響を与えます。

講義ポイント②

人見知りは保護者の愛情が十分である証明

保護者の愛情とは、例えば赤ちゃんが泣いたときに応答して、声をかけたり、手で触れたり、あやしたり、ミルクをあげたりすることです。そして、赤ちゃんの目を、微笑みながら見ることが大切です。保護者の表情が柔和でないと赤ちゃんは不安になるからです。子どもにとって、保護者の愛情は心の栄養なのです。
半年ほどで赤ちゃんは人見知りをするようになり、保護者以外の人を拒否するようになります。これは保護者の愛情が蓄積され始めたことを示しています。人見知りは3歳位まで続くことがあります。その間に人見知りがないのは気がかりです。保護者の愛情を受けていないか、生まれつきの神経発達の問題の疑いがあるからです。

講義ポイント③

周囲との関わりと成功体験で保護者から離立

人見知りによって、保護者の愛情をますます受けた子どもは、保護者から離れ、周囲に関わりを持とうとすることが増えます。ほかの子どもと遊んで、けんかをしたり、自分の欲望を我慢したりして社会のルールを理解するようになります。
また、この時期に重要なのは成功体験です。例えば、「靴をはけた」時に「ほめられた」など、「やったらできた」体験が繰り返し「ほめられる」ことで自信が蓄積され、ますます主体的に行動できるようになります。このようにして保護者から離れられるようになっていくのです。

宮脇檀の写真

人間科学部 子ども教育学科

堀内 ゆかり 先生
専門:発達臨床心理学、教育・発達相談
  • 講義内容がめざすSDGs