「八女福島の燈籠人形」背景幕を制作・贈呈

 

 9月6日(水)、九産大芸術学部芸術表現学科2年の学生8人が、「『八女福島の燈籠人形』背景幕制作プロジェクト(※)」で制作した今年の演目「玉藻之前(たまものまえ)」の第一幕「大内山(おおうちやま)の春」の背景幕を、同保存会に贈呈しました。6月から取り組んだこの作品は、9月22日(金)〜24日(日)の公演で使用されます。

 

 保存会からの要請を受けて平成26年に始まったこのプロジェクトは、重要無形民俗文化財に指定されている「八女福島の燈籠人形」4演目に使用する、縦3m×横6.3mの背景幕合計20枚全てを、1年に1〜2枚のペースで制作するものです。

 

 昨年までに、「吉野山狐忠信初音之鼓」(平成26年)と「薩摩隼人国若丸厳島神社詣」(平成27年)、「春景色筑紫潟名島詣」(平成28年)の3演目の第一幕目をそれぞれ制作し、毎年放生会の人形芝居背景幕として使用されており、今回の引き渡しで全ての演目の第一幕目の制作が完了しました。

 

 リーダーの八尋 麗さん(九産大付属九州高校)は、「メンバー全員の筆圧を合わせ、色の統一感を出すのに苦労しました。長く続く伝統ある文化事業に関わることができて、とてもうれしいです」とプロジェクトを振り返りました。

 

 保存会会長の牛島和良氏は、「歴史の再現と継承のためにも、若い感性を生かして、これからも協力をお願いしたい」と語りました。

 

八女福島の燈籠人形は、毎年秋に福島八幡宮(福岡県八女市)の放生会で上演される人形芝居で、約270年の歴史があり、1977年に国の重要無形民俗文化財に指定されています。このプロジェクトは、約50年間使用されて損傷が激しい全ての舞台背景幕の再制作を、保存会より委託されたものです。

  

                <妖狐の化身である正体を見破られ、変身する「玉藻之前」の1シーン>

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