PROFESSORS

キミの芸の術をコーディネートする、頼れる教員たち。

映画の解体とその可能性の追究

芸術表現学科 メディア芸術専攻

伊藤 高志ITO TAKASHI

担当科目

メディア芸術概論 / メディア芸術論 / 映像アニメーション演習Ⅰ / 映像実習 / 特別実習B / 卒業研究

プロフィール

九州芸術工科大学・画像設計学科在学中、松本俊夫ゼミで発表した実験映画『SPACY』(1981)が国内外の映画祭で絶賛され、浅田彰の「構造と力」に引用されるなど80年代ニューウェーブの旗手と呼ばれた。1995年のクレルモンフェラン映画祭では「映画100年の100本」に選出。その後パリ・ポンピドゥー・センターに収蔵。超現実的な視覚世界や人間に潜在する狂気や不条理を追求している。劇映画人(石井聰亙、林海像)や、美術家(森村泰昌、小杉+安藤)、演劇人(如月小春、川村毅、三浦基)、ダンサー(山田せつ子、伊藤キム、寺田みさこ)といった他ジャンルの作家たちとのコラボレーションも多数手がける。

主な作品

1982

『BOX』(オランダ・アニメーション映画祭招待[ユトレヒト])

1982

『THUNDER』(予兆:日本と韓国の映像芸術展招待[ドイツ・ケルン])

1985

『GRIM』(シネマ・ディファラン・フェスティバル招待[フランス・パリ])

1996

『ZONE』(第42回オーバーハウゼン国際短編映画祭優秀賞受賞)

1996

『ギ・装置M』(サンフランシスコ・レズビアン&ゲイ映画祭招待)

1997

『モノクローム・ヘッド』(ロッテルダム国際映画祭、釜山国際映画祭招待)

2002,2010

『静かな一日・完全版』(ローザンヌ・アンダーグラウンド映画&音楽祭 最優秀実験映画賞受賞[スイス]ナッシュビル・インディペンデント映画祭招待)
『甘い生活』(香港国際映画祭招待)

2014

『最後の天使』(第61回オーバーハウゼン国際短編映画祭 文化省賞受賞)

2016

『三人の女』(4面スクリーンによる映像インスタレーション)
学生に伝えたいこと

今の世の中は、非常に「わかりやすく」「画一化」されていっています。私は学生の時から、この一般的に「わかりやすい」といったもので片付けられないものを作りたいと思い、実写の実験映像を作り続けています。芸術教育の中でも、この「わかりやすい」といったところから排除された中に、重要なモノがあります。この根源的な問題を、学生たちと共に考え、共有していきたいと思っています。一つの価値観に縛られるのは、怖いことです。芸術の力で、違う角度からモノを見つめること、考えることを教えていきたいと強く思います。今、産業界では、どんな人材が求められているのでしょうか。決して協調的、歯車的な人間ではないと思います。そのためにも、多角的に物事を見られて、やわらかい頭を持った学生を育てたいと思っています。
全ての映像・動画像というのはアニメーションです。学生たちに、「アニメーションとは描いた絵が動くだけではない」ということを考えさせる。そういう視点で撮られた国内外の優れた作品を一緒に見る。そして、「批評する」という視点がとても大事であることを伝えたいと思っています。世界には多くのユニークな作家がいる、多様な作品がある。そんな多彩な思想や方法論を咀嚼(そしゃく)して、伝えていくのが私の仕事だと思っています。

九芸を目指す高校生の皆さんへ
今は一億総映像作家の時代です。日常的に映像が氾濫している状況だからこそ、映像の持っている独自性や、映像でしか表現できない面白さを教えたいと思っています。そういうことを学びたいと思っている学生さんと出会いたいですね。
  • SPACY 1981/10min./16mm
  • THE DEAD DANCE 2009/映像インスタレーション
  • BOX 1982/8min./16mm
  • GRIM 1985/7min./16mm