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芸術に生きる

  • 陶芸 陶芸 柿右衛門 挑戦がなければ、伝統は終わる
  • 人物1
  • 2013年に誕生し、超豪華旅客列車の火付け役となったJR九州の「ななつ星 in 九州」。
    九州伝統の職人技によるインテリアと贅を尽くしたサービスで全国から予約が殺到し続けているが、車内でひときわ輝きを放つのが、開発者から懇願され焼き上げられた、故・十四代酒井田柿右衛門による手水鉢だ。走る列車内で使われることを考えれば、美しさだけではなく強さも求められる。
    この仕事は、400年続けてきた器作りとは異なる手法による挑戦でもあった。
    柿右衛門は、なぜ時代を超えてトップランナーとして走り続けられるのか?
    十五代柿右衛門氏は言う「受け継ぎ守っていくことだけが伝統ではない」。
    時代と向かい合い、今求められることに挑戦し続ける柿右衛門窯。世界中からも注目され続けるその姿は、これからアートを志す若い世代にとっても目指すべき道しるべになるはずだ。
  • 焼き物 焼き物
  • 柿右衛門窯に、型にはまったマニュアルはない。そのことが「ななつ星 in 九州」のエピソードが語るように、焼き物の新たな可能性を広げている。「秘伝の赤」をはじめとする精緻な伝統技術の数々に技を刻み込み、また長い月日をかけて後進へ受け継いだものだと十五代酒井田柿右衛門氏は言う。
    天然の原料しか使わない焼き物は、その時々の環境によって配合や水分量の調整など細かな対応が変わっていく。言葉で学ぶものではなく、勘と感性で身につけていくものなのだ。技術的なことだけではない。移り変わる時代、人々の生活にも対応する柔軟な発想も忘れてはいけない。無二の様式美を守り抜きながら、時代とともに進化を続ける。だから柿右衛門の作品は、どんな時代にあっても新鮮な感動に満ちている。
    有田焼創業400年を機に新たな挑戦を進めている十五代柿右衛門氏から、アートを目指す若い人たちへメッセージをもらった。「いちばん感覚の鋭い若い時に経験することが一生の財産になる。キャンパス内に柿右衛門様式窯があるなど、ものをつくるための施設が幅広く充実している九産大で、他ではできない経験をしてほしい」
    君たちの歴史は始まったばかり。これから、どんな挑戦を柿右衛門氏に見せてくれるのか?
  • 焼き物 焼き物
柿右衛門窯

1640年代に初代柿右衛門が日本初の赤絵の技法を開発し、白磁の美しさとの調和を究極まで高め、1670年代に「柿右衛門様式」を確立。鎖国の時代にあって、その研ぎ澄まされた美意識は海を越えて賞賛された。
以降15代に渡り、素地の余白を活かした明るく繊細、絵画的な色絵磁器で、世界中の人々を魅了し続けている。
2000年10月、伝統工芸の奥深さを学生へ伝えるため、故・十四代柿右衛門氏によって、九州産業大学芸術学部キャンパスに門外不出の「柿右衛門様式窯」を踏襲した窯が開設された。