初年時教育として、高校までの基礎学力を確実なものにするための基礎数学、基礎物理を開講しています。これらの科目については入学時にプレイスメントテストを実施し、その結果に基づいて教育効果が上がるように習熟度別クラス編成を採用しています。特に習熟度が低いクラスについては基礎数学、基礎物理に加えて補習授業を実施しています。
工学部では、物理・数学などの基礎科目を苦手とする学生の要望に応えて、 2006年秋より工学部基礎教育サポートセンターを開設しています。 学生はセンターを自由に訪れ、センター専任の講師や学部教員に基礎科目に関して質問し、教えを乞うことができます。物理や数学の基礎を理解していない学生に対して、教員が授業中にセンターを訪ねるように指示することもでき、授業を補完する役割も果たしています。
専門知識を活用するためには専門の基礎知識が必要との認識から、2010年度から学期始めに専門基礎力確認テストを実施しています。試験の答案は学生に返却し、学生自身の現在の基礎力の自己点検に利用しています。
実践力向上のための実習科目の拡充
入学時に工具セットや計測器の購入を指導し、1年前・後期にハンダ付けから電子工作実習を行い、1年前期から3年後期まで切れ目なく実験・実習科目を配当しています。また、学科の実験室では電子パーツを多数配置し、電子工作のサポートを実施しています。1年次配当の実習科目の活動として、本学宗像キャンパスに設置されているメガソーラ施設をはじめ様々な学外施設見学を実施しています。
実験前課題の導入
2、3年次の専門の実験では、各実験テーマごとに実験前課題を設定し、実験前課題をクリアしないと実験に取り掛かれない仕組みを設けています。実験前課題は、該当実験を実施する上で必要不可欠な知識を問う問題を設定しており、実験前課題を行なっていれば、座学で学んだ知識を実験で確認または応用できるようになります。
グループリーダー制の導入
専門の実験では実験のグループは固定されます。そのグループ内で実験ごとにリーダを指名しています。リーダは実験指導者とのやり取りを含めその実験を中心となって進める役割を担います。グループで協力しあって実験を進めるだけなく、指導者のやりとりを通じてコミュニケーション能力が養われます。
実験ポートフォリオの導入
学生実験での大きな目的の一つとして報告書作成能力を身につけることがあります。その能力を身につけるために、学生自身が報告書作成能力上達の成果を自ら記録し、達成状況を点検する仕組みとして実験ポートフォリオを導入しています。自ら振り返り確認することで、卒業研究に配属されるときには、エンジニアとして必須である報告書作成能力が身についています。
卒業研究
卒論査読制度
本学科では伝統的に卒業論文査読制度があります。これは、1人(場合によっては複数)の指導教員のもとでまとめた卒業論文を他の教員が点検する、という制度です。これにより卒業論文の完成度が高まるだけでなく、学生の文章作成能力の向上、査読者との交渉によるコミュニケーション能力の向上が見込まれます。
卒業研究再発表制度
現在の社会ではプレゼンテーション能力は必須となっています。本学科では、卒業論文の再発表制度を導入することにより、人前で話す、というプレゼンテーション能力の育成にも力を入れています。本番の卒業論文発表会で、卒業論文の内容をうまく発表できなかった学生(グループ)、緊張してうまく発表できなかった学生(グループ)、などを対象に再発表を実施しています。
卒業研究ポートフォリオの導入
社会に出てからは自ら進んで勉強していかなくてはなりません。自分で勉強できるようになるためには、自らの学びを記録し振り返る機会というのが極めて大事となります。その機会を卒業研究で設けたのが卒業研究ポートフォリオです。卒業研究で自ら学んだことを定期的に記録し、指導教員にチェックしてもらうという制度です。ソフトウェアの使い方、調査研究の仕方、データのまとめ方など様々な実践的な能力、つまり生涯学習力が身につきます。
デザイン教育成果の複数回、複数教員による評価
論文発表(中間、最終)と論文査読制度等により教育目標の達成度を複数教員で厳密に審査しています。